2008年06月24日

6月14日 地域経済再生シンポジウムを開催しました。

平成20年6月14日(土)
平成20年度 アントレプレナーズ事業
星地域経済再生シンポジウム
クローバー 『地域経済の活性化から地域再生!』(兵庫県商工会議所青年部連合会主催)を加古川商工会議所1階展示ホールにて開催しました。当日は一般参加者を含めて約100名のメンバーが参加しました。

ニコニコ 主旨としては地域経済を再生してゆくために、ものづくり、食、サービスの三つ産業の観点からどのような取り組みが地域に必要かについて、7人の講師の方々の話から学び、さらに講師との交流からメンバー個々が各自の行動に落とし込む機会としていただければとの思いで開催しました。

6月14日 地域経済再生シンポジウムを開催しました。チョキ総合コーディネーター 加藤秀樹氏(かとう ひでき) 構想日本代表
第一部「地域ものづくり産業をデザインする」
拍手コメンテーター1:水戸祥登(みと よしのり)氏 三陽鉄工株式会社代表取締役、大阪市青年経営者連合会 相談役
拍手コメンテーター2:佐藤元相(さとう もとし)氏(有)エヌ・エヌ・エー・テンダーサービス代表取締役社長

自転車報告
地域の伝統的ものづくりが生き残るために必要な取り組みは、ひとつは新しい技術に対応すること、もうひとつはつくる側が買う側とつながっていること。特に後者はイタリアの零細工房が海外からの安価な製品の流入・価格破壊などグローバリゼーションの嵐を乗り切るために世界的なネットワークをもってものづくりを行っていること、又、「つくる側と買う側をつなぐ」仕組みをつくりあげたと言うことが実例を交えて紹介された。

オドロキ 感想もしくは言いたい放題
私の感想としては日本の伝統的ものづくり産業は後継者不足・時代にあった製品づくりが遅れるなどに悩まされ、巨大な流通機構に乗らなかったものは世間から周知されず細々と継続し、乗った者も「価格競争に巻き込まれる=大量に売らないと成り立たない」と言う図式の中で、闘ってきたが多くは「中国などへの生産拠点の移転」によってその戦いから退場していった。
さらに大量生産などによって、環境破壊も止む無しとする匠の精神から遠いところに日本のものづくりが不時着したかの印象もあります。
しかし時代が変化する中で、流通機構に乗らなかったものが世間から注目を浴び始めた、本物派・自然派・LOHASなどの志向は以前の「いかに安く、くだらないものを大量に作るか」と言った潮流に、「いくらなんでもこんなくだらないものばかりが作られているのはおかしい」と思った人がいかに多かったかということでしょう。

スマイル 今地域に必要なのは「つくる側と買う側をつなぐ」ビジネスとひとづくり
しかし振り返ってみると、私のまちの金物産業は本物派・自然派・LOHASなどの志向に対応できているとは言いがたい状況です。昔は金物卸が、「つくる側と買う側をつなぐ」仕組みを纏め上げていましたが、しかしそれは昔のお話になっています。
今地域に必要なのは昔の金物卸がやっていた「つくる側と買う側をつなぐ」ビジネスを育てること。それはもちろん卸屋さんがやってもいいですし、東京あたりのコンサルや企画会社から適当な人材を引っ張ってくるのも良いですが、地域の若者をそのように育成すると言うのが最良と思います。
そのためには地域の伝統的なものづくりの素晴らしさに市民も外部の方も触れる機会や学べる仕組みが必要です。教育特区などを使って学校教育の中で伝えていく方法は手っ取り早いですね。


6月14日 地域経済再生シンポジウムを開催しました。
第二部「持続可能な21世紀型の“食”をデザインする」
拍手コメンテーター1:朝田(あさだ くにこ)氏 ローカルジャンクション21 代表理事
拍手コメンテーター2 平松賢介(ひらまつ けんすけ)氏 株式会社平松食品代表取締役


ごはん報告
今農業には高齢化・流通業が値段を決めるので採算が合わないなどの問題がある。食の安全崩壊や表示偽装なども食料生産を経済のスピードに合わせるために腐心した結果とも言える。地域の本当にいい食材を少量中央や様々な地域に売るという取り組みは予想以上に好評である。
日本の伝統食の市場は減少し続けている、反対に海外はまだ日本の伝統食を知らない、つまり開拓すればまだ市場拡大の可能性があるということ。特にニューヨークのような新しい食文化発信地で佃煮のような伝統食が認められれば、日本の伝統的な保存食から世界の食文化へと新たなステージに立つことができる。次世代位までは伝統産業でも生き残っていけるのではないか。こうした事業を地域再生のメニューを使って補助金を貰いながら進めている。
兵庫県の食料自給率は16%しかないが、ひたすら食べ続ける人が圧倒的になっている状況のなかで、食の安全崩壊をめぐるパニックは起こっている。ひたすら食べる側の人は食料生産のプロセスや、何が危険なのかが正確に分からないからパニックになっている。
農業の高齢化を解消するためにも、都市生活者が食料生産に関わる機会が必要。一定の年齢以上だと手軽に農業を始める仕組みなども必要、農村・田園と都会、そして世界をつなげるビジネスが必要。

おにぎり感想もしくは言いたい放題
大泣き経済のスピードに自然はついていけてない?
・今回の食料高騰はバイオ燃料との競合、サブプライムローンの影響で確実に値上がりする相場にマネーが殺到した結果。
・食料の安全崩壊も知らないから起こるパニックが問題。(BSEについて、危険部位を食べない日本人は感染しにくいのに、あの農林水産大臣の牛肉試食パフォーマンスは何だったのでしょう?)
・・・と言うことですが、各論だけではなく、私は環境問題の食料生産への影響、すなわち「経済活動や科学技術の発達でそのスピードについて行けない自然は、安全崩壊・不足・高騰などさまざまな食糧危機を生みながら劣化し続けていると言う認識」も大きな流れでは環境破壊が食料を含め、徐々に我々の首を真綿で絞め始めているというのはあながち間違いではないようです。
あの鳥インフルエンザ事件は急速に品種改良された農作物が、一種類の害虫によって、壊滅的な被害をこうむるのを連想しましたし、そもそも輸入される農作物は大量の水と窒素が含まれていて、食べた後にその水と窒素を生産地に返さないとバランスが崩れ、消費地は水と窒素の過剰、生産地は砂漠化すると言われています。これの収支を合わせるためには我々の便を生産地に返さなければなりませんが、そんなコスト今は誰も考えていません。地産地消と言うことが盛んに言われるのもこうしたことが原因のようです。

ラーメン海外で日本の伝統食産業が生き残る!?
「海外進出によって日本の伝統食産業が生き残る」と言うのは、平松講師にその意図がないにもかかわらず、私には現代日本への皮肉とも受け取れる。たとえば日本にはこんな優れた保存食の技術が確立しているのは素晴らしい知恵だとニューヨークのLOHAS野郎に指摘され、そのことを日本人は知らないなどの悲喜劇が起こるのは、日本人が「都会=世界の中心」へのコンプレックス全快なイナカモノだから、いい加減に自らの文化を見直し大事にしないとね。
そういえば国際人の最も重要な条件は自らの国の文化を教養を身に着けていることと誰かが言ってたっけ。

もみじ環境保全型農業×農業を始めたい都市生活者
一連の食料安全パニック以降、農村で稲刈りや豆などの栽培体験が都市生活者の間で流行っているようだ。一方都会では40歳を超えたら、職業を選んでいられない現状もあるようである。
そこで農業を始めたい都市生活者が手軽に農業を始めることのできる環境を地方は整備する必要がある。これが農業の高齢化から農業を救う道にならないのだろうか。さらに人が変わることによってJAの政策の影響下から脱却でき、環境保全型農業とそのブランド化が一気に進むかもしれない。

ビールこれもつなぐビジネスが必要!?
・・・とはいっても私のまちでは地元産の食材を買える店が数えるくらいしかなく、しかも遠い。こんな状況では都会の人がここに住みたいと思うだろうか?又、地方は今、「地方に住んでいると安全な食材をたらふく食べて幸せに生きていけますよキャンペーン」を始動させる格好の時期であると考える。賛同者がいなければ知り合いと孤独に開催するしかないが、そういうことより、地方がこうした食の優位性で都市生活者に訴える絶好の好機が到来しているのに、こういうシステムづくりがナカナカ進まないのは全く困ったものである、人口が減少して悩んでいるじゃなかったけ?という対応の遅さについて苛立ちを感じるが、とにかく「地方=豊かな食生活」と言う図式を早く発信したモン勝ちである。ここでも必要なのは「つくる側と買う側をつなぐ」ビジネスを育てることでしょうネ。

6月14日 地域経済再生シンポジウムを開催しました。
第三部「地域密着型サービスで住み良い地域をデザインする」

拍手コメンテーター1:奥谷京子(おくたに きょうこ)氏 WWBジャパン代表
拍手コメンテーター2:山岡 淳一郎(やまおか じゅんいちろう)氏 ノンフィクション作家


→報告
地域コミュニティの活力を支援するために、コミュニティバンク・コミュニティビジネスなどの起業支援を行っているが、想いと事業性の合致した事業に融資しているため、貸し倒れはゼロである。重要な融資の基準として「人(地域への貢献)、地球(循環型で持続性のあるモデル)、利益(利益のでる事業)」の3つ。社会起業家の中には利益を罪悪と感じる人もいるが、持続性のある活動は自らお金を生み出してゆく必要もある。
今地域で農業・ものづくり・福祉・環境・金融などを視野に入れたコミュニティビジネスこそ登場が待たれる。日本の知恵に学ぶ「環のくらし」ゼロエミッション+最先端の環境技術を導入した環境保全型のエコ住宅の事業化も今がチャンスと言える。又、コミュニティの中で地方の高齢化をカバーする取り組みとして外国人労働者や留学生の活力を利用する方法もある。

オドロキ 感想もしくは言いたい放題
金貨地域にはマネーではなく、お金が必要
お金は地域からどんどん流失し、中央に集められ効率のいい事業に再投資され、あるものはマネー(バケモノ)となり、それ自体がマネーを増殖させる。金融市場では実に世界のGDPの10倍以上のマネーがやり取りされているのである。そこでは、今風に言うとずばり「キモイ」程の膨大な利益が生み出され、サブプライムローン問題のような問題が起こると、バイオ燃料と食糧危機で値上がり確実な穀物相場を隠れ蓑にする、しかも途方もない穀物の高騰を演出する・・・。一方で地域からお金はなくなる。

金貨今の世界の金融はフェアじゃない
お金に対しての不信感を誰もが口する。中小企業経営者ならこういうだろう「一方では莫大な利益を得ながら、地域では貸し渋っている金融機関はおかしくないか?」、社会起業家なら「富めるものと貧しき者の格差が開くようになっている現在の世界経済の仕組みはこのままで良いのか?」「環境を破壊して膨大な利益を得る企業に効率だけで融資する金融機関はどうよ?」・・・etc
もしもこのままで推移して温暖化による食糧危機・水不足で難民が大量に発生し、日本の地域経済が総倒れになったら、マネーの亡者は、その蓄えたマネーで難民や地域を救えるの?
ひたすら救われる側と救う側に分かれたら・・・現在の食料問題のひたすら食べる側とつくる側の問題と一緒で距離が遠すぎるから難しいだろう。本来は救われる側がどう自立するか課題で、ひたすら救われる側を作った段階で、もう救えないでしょう。
・・・と言うことでお金については世界レベルでフェアなしくみが必要と思う。フェアトレードはなにも貧しい国だけに必要なことではなく、国内だって中央では高い値段で売っているものを、地方で安い値段で売らざるを得ない現状もフェアトレードの必要性を感じる。

金貨あなたの預金、地域のために使ってる
一時地域通貨がブームになったが結局は地域の経済を救うほどの成果もなく、定着しなかった。今地域に必要なのはコミュニティ・バンク、コミュニティ・ファンドのような地域の困っている部分を改善し、ビジョンを実行できるお金である。マネーではない。もちろんそういう金融機関に預金することも必要である。あなたは一方では莫大な利益を得ながら、地域では貸し渋っている金融機関に預金し続けていないだろうか?

チョキコミュニティビジネスを支援する仕組みを地域に
地域では行政サービスがどんどん切り捨てられ放置されているここに、何がしかのビジネスが成立する可能性を見る。又農業・ものづくり・福祉・建設・環境・金融などを視野に入れたコミュニティビジネスや「つくる側と買う側をつなぐ」ビジネスが必要だが、それにはヒトを育てる仕組みと、お金も含めた支援する仕組みが必要と考える。

第四部 情報交換会
1.ものづくり1 ㈲エヌ・エス・エーテンダーサービス代表取締役 佐藤元相氏
「町工場の挑戦」-ものづくりが盛んな大阪の生野区、中国への生産移転による不況に喘ぐ中、大企業の下請け工場の技術を生かしたコラボによって、世界ブランドへの挑戦が始まった。
2.ものづくり2 三陽鉄工株式会社代表取締役 水戸祥登氏
「あなたの会社の技術的な不可能を可能に変える相談会」-数々の技術開発を成功させてきた講師が、参加者の業界の技術的な相談に応じます。
3.地域再生アイテム紹介 ㈱平松食品代表取締役 平松賢介氏
「事業所のために地域再生ツールを活用する」-講師自らが活用し、佃煮の世界進出を果たしたJAPANブランドなどの資金や人材開発に関わる地域再生の支援策などを紹介する。
4.建築・住宅・都市問題 ノンフィクション作家 山岡淳一郎氏
「脱スクラップ&ビルド~持続可能なこれからの住宅開発~」-耐震偽装など、現在の住宅・都市問題を通して、これからの「まち」、「家」、「建築」のあり方について考える。
5.食育 ローカルジャンクション21代表理事 朝田くに子氏
「スローフードな日本!地産地消・食の地元学」-地域が育んだ当たり前のいい食材を当たり前に食べることができるしくみづくりや地域固有の食文化を伝えるなどについて話し合う。
6.コミュニティビジネス・地域金融など WWBジャパン 代表 奥谷京子氏 
「コミュニティビジネス起業支援」-行政がスモールガバメント化し、利便性を失う中で、注目されてきた「まちの問題をビジネス的手法で解決するコミュニティビジネス」について話し合う。
星講師や講師の関係者への質問や議論から今後の会員個々の事業所展開のヒントとすると言うことで、第四部の時間をもっととって欲しかったとの意見を多数いただきましたが、本当に今後コラボしたい人はここでやっていただいたら良い訳で、目的は達せられたと思われます。

ニコニコ 勝手なことをめちゃくちゃに書かせていただきましたが、
・農業・ものづくり・福祉・建設・環境・金融などを視野に入れたコミュニティビジネス
・ものづくりや食の「つくる側と買う側をつなぐ」ビジネスなどが必要
・こうしたことをやる気のある人の育成と支援のしくみづくり
以上が地域の経済を再生する解決策となりますが、まとめより何より各単会での具体的落とし込みは事業の熱気の中で個々が掴んだものを基盤に考えていただけるこそが本当は重要なのだと思います。
以上


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Posted by 兵庫県YEG at 20:02│Comments(1)事業・イベント
この記事へのコメント
兵庫県連の皆様、アントレメンバーの皆様、お疲れ様でした、本当にてんこもり?盛りだくさんのアントレ事業でした、多分、実際に三日間位必要な内容だったのでは? 心に残った事は、やはり企業家は、夢を持つこと、利益は社会貢献、平松さん、奥谷さん以外にも非常に参考になった会でした、有難う御座いました。中谷でした。
Posted by 中谷安伸 at 2008年07月01日 09:23
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